新紀見トンネル見学会
カテゴリー:技術
更新日:2018/2/28
平成30年2月24日
和歌山県橋本市と大阪府河内長野市を結ぶ
(仮称:新紀見トンネル)の現場見学会を開催しました。
各地区から17名の方にご参加頂きました。
初めに和歌山県伊都振興局の方と
鴻池・三友・藤平JVの現場所長から工事概要の説明を聴きます。
トンネルは2,100mほどでNATM工法で施工されています。
現場は24時間体制で工事が進められいるため防音対策が随所に設けられていました。
・坑口には2重の防音扉が設置してあり発破時の爆音を遮断します。(写真左上)
・トンネル内部に新鮮な空気を送る大型ファンと工事概要の看板。(写真右上)
・覆工コンクリートを施工する前に生コンと水が接触しないように防水シートで覆います。
(写真左下)
・覆工コンクリート打設後、専用の機械でコンクリートの湿潤養生を行います。(写真右下)
ここまでは、生コン納入時に目にする事が出来るので生コン工場の方にすれば
見慣れた光景かもしれません。
ここからは、おおまかに工事の工程に沿って紹介していきます。
まず、専用の機械でトンネルの縁に沿って空けた穴に火薬を詰め
安全対策、安全確認をして発破を行う。
発破で砕けた土砂をホイールローダーでダンプトラックに積み込み運び出します。
このホイールローダーもトンネル工事用で
サイドダンプ(横に並んだトラックに土砂を積み込めます。)
発破で掘った部分が崩れてこないようにU字の鉄骨(支保工)を
保持しなが吹き付けコンクリートで全面的に覆います。
その一連の工程をこの一台の大きな機械でこなします。
たくさんの配線と配管、後ろにモルタルを入れるバケットがついていたり
SF映画に出てきそうなマシンです。
次に長いドリルが付いた機械でロックボルトと呼ばれるボルトを
打ち込みます。これで山の土が動いても崩れるこがなくなります。
*この写真がトンネルの一番奥です。
ここにまた穴を空けて火薬を詰めてと繰返し掘り進めていきます。
このサイクルを1日4、5サイクル行っているそうです。
1サイクル5時間程度、そのスピードの速さに驚きました。
その後、防水シートを張ったり排水の設備を作ったり
足元の地盤を確認したりして覆工コンクリートが打設されます。
厳密な工程のなかで、たくさんのプロフェッショナルの方が昼夜働き
掘り始めた所から上下左右と微調整しながら目的の場所まで貫通させる
その技術に感服いたしました。
最後になりますが、今回の見学会を開くにあたり
和歌山高専中本先生、伊都振興局様、鴻池組和歌山営業所長様、JV現場所長様
お忙しいところご対応頂きまことにありがとうございました。
また、橋本・伊都生コンクリート協同組合の皆様、駐車場のご提供ありがとうございました。